暮らすように歩いて、暮らすように別れを受け入れる

パタヤに来てから毎日よく歩いている。

今日は朝なかなか起きられず、散歩に出たのは10時過ぎ。それでも「どこかへ行かなければ」という気持ちはなく、今日はセカンドロードを南へ向かって歩くことにした。

途中でセントラル・パタヤに寄ると、美味しそうなフランスパンが目に入った。普段なら糖質を気にして我慢するところだが、旅先では「食べたい」と思った気持ちを大事にしたい。思わず買ってしまった。

その後、有名なケバブ屋まで歩いた。食べてみようと思っていたが、80〜90バーツと思っていたより少し高い。パンも買ったばかりだったので、「今日はやめておこう」とそのまま歩き続けた。

こういう小さな判断の積み重ねが、長期滞在では案外大切なのかもしれない。

ソイブッカオからサードロードへ抜け、日本人にも知られているファランバーでアイスコーヒーを飲んだ。

店内に客は私一人。

女性スタッフがずっと話しかけてくれたが、お互いに言葉は十分ではない。それでも笑顔で一生懸命コミュニケーションを取ろうとしてくれる姿が嬉しかった。

結局、お釣りは受け取らず100バーツだけ置いて店を出た。

言葉は通じなくても、人の優しさはちゃんと伝わるものだと思う。

その後は気になっていたアパートを見学した。

以前は8,800バーツだった部屋が13,000バーツまで値上がりしていて驚いた。短期なら1泊800バーツとのことだったが、自分には少し高い。

「ここなら住めるかもしれない。」

そんな期待があっただけに少し残念だった。

帰りはターミナル21で夕食を買い込み、サードロード側からコンドミニアムへ戻る。歩いてみると、この辺りは食堂もセブンイレブンも多く、思っていた以上に暮らしやすそうだった。

気付けば今日も約2万歩。

昨日とほぼ同じ19,500歩だった。

あと500歩。

その数字を見て、人生もそんなものかもしれないと思った。

あと少し。

あと一歩。

振り返れば、自分の人生には「あと少し届かなかった」という出来事が意外と多かった気がする。

もちろん、その積み重ねが今の人生をつくっているのだから悪いことばかりではない。それでも、あと500歩という数字が妙に心に残った。

散歩の途中、昨日から気になっていた友人からのLINEについても調べてみた。

どうやら受信拒否されている可能性が高そうだった。

20年以上付き合いのある友人だ。

若い頃は同じ方向を見て歩いていたが、いつしかお互い違う人生を選び、考え方も価値観も少しずつ変わっていった。

その距離は縮まることなく、今回こういう形で一区切りを迎えるのかもしれない。

もちろん寂しさはある。

それでも、人との縁は自分一人ではどうにもできない。

無理に追いかけることはしない。

もし何年後かに偶然再会したり、向こうから連絡が来たりしたら、その時は自然に受け入れればいい。

人生は思い通りにはならない。

だからこそ、その時々の風向きを受け入れながら、自分にできることだけを続けていく。

今日はたくさん歩き、少し節約し、人の優しさに触れ、一つの縁を静かに受け入れた一日だった。

そんな何気ない一日こそ、この旅で一番記憶に残るのかもしれない。

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